ANAの決算が発表されましたので2021年3月期の振り返りと、今期の見通しについて確認をしていきます。
2021年3月期決算内容
結果として当期純利益は▲4,046億円と巨額の赤字となりました。
2020年3月期は1月~3月の4Qのみが感染症の影響で赤字となり、通期では276億円の黒字でしたが2021年3月期は通期で影響を受けたため売上高も▲63.1%と大きな影響を受けてしましました。

特に影響を受けた事業はANA国際線の2019年度比▲95%とやはり海外での感染症拡大の影響を受け大きく需要が落ち込みました。
ANAとPeachの国内線は下期に回復をしてきましたが11月以降に再度感染が拡大したため回復が遅れてしまいました。
旅客事業は不調でしたが貨物事業のANA国際貨物は単価の上層もあり売上高は+56%となりました。
貨物事業は海上貨物の需要に供給が追い付かなかったため空輸を選択されたこともあり好調だったようです。
この流れは今後も続きそうです。

各事業の四半期ごとの前年比較は以下の通りです。
国際旅客は年間を通して5~6%と絶不調でした。国内旅客は3Qに一時回復後、4Qに再び減少。
国際貨物は4Qに122%と大幅に増加し、売上高も2.2倍の1,096億円となりました。

2022年3月期見通し
今期の見通しは売上高13,800億円、当期純利益35億円の黒字化する予想となっています。
売上高は約2倍に増加し、純利益は4,000億円好転する計画です。

2021年度の計画のポイントは段階的に回復する旅客需要を確実に捉え、グループをあげてトップラインを伸長することと記載があります。
特に国内旅客に力を入れて黒字化を目指すようです。

計画の前提となっている外部環境と旅客需要は以下の通りです。
国内旅客の年度平均は2019年実績比80% 期末に100%に回復。
国際旅客の年度平均は2019年年度実績比50% 期末に50%まで回復。
国際便の回復は海外事業もあるため回復が遅れる見込みのためまずは国内の需要が戻ってくることを前提としています。
年末にかけてワクチンの普及等で需要が回復すると考えられますが、ZoomやTeamsといったビデオ会議が浸透しているためどの程度のビジネス需要が戻ってくるかに注目です。

国際貨物の売上高の計画は前期の過去最高の売上から更に積み上げて約2,000億円となっています。

コスト削減の取り組み
最後にコスト削減の取り組みですが、機材への対応として航空機数を2019年度比で▲25機として固定費の削減を計画しています。
人材への対応として2020年度末のグループ従業員数46,500人を2022年度末までに▲4,000人の計画となっており、希望退職や新規採用の抑制を行っていくことになっています。

感想
今期黒字の計画となっており、期待を持ちたいところですが国内旅客数が2019年度比100%に戻るかに注目です。
ビジネス客はどちらかというとビデオ会議の普及であまり伸びない可能性はありますが、国内旅行に需要は大きくあるとはずなので黒字化を目指して頑張って欲しいです。
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