ソフトバンクの振り返りと株式保有のメリットとデメリットについて

株式投資

ソフトバンク(株)【9493】を保有するにあたり押さえておきたいポイントをご紹介していきます。

競合のNTTドコモが非上場となり、さらに20Gのプランで約3,000円の格安プランの発表がありました。

NTTドコモのプランに対抗するためMVNOサービスを提供しているLINEモバイル株式会社をソフトバンクの完全子会社化および吸収合併とすると発表されました。

NTTドコモに対抗するプランとして、ソフトバンクはオンライン専用の新ブランドを立ち上げ、データ容量20GBを月額2,980円で利用できる4G/5G共通の料金サービスを2021年3月に提供開始します

新ブランドは、「SoftBank on LINE」をブランドコンセプトに、コミュニケーションアプリ「LINE」がデータ容量を消費せずに使い放題となる「LINEがギガノーカウント」を提供するとともに、「LINE」でさまざまな手続きができるようにする予定となっています。

プランの詳細は以下の公式ホームページをご参考ください!

https://www.softbank.jp/corp/set/data/news/press/sbkk/2020/20201222_03/pdf/20201222_03.pdf

株価は20年8月に上場時の公開価格1,500円付近まで上昇しましたが、ソフトバンクグループによる1株1,204円による1.2兆円規模の株式の売出し及び政府による携帯料金引き下げ要求により一時1,200円を下回る時期もありましたが、21年1月時点では1,300円を超える価格となっています。

携帯料金については今後の競争激化が予想されるため、Yahoo、PayPay、ZOZOといった非通信分野の成長が重要となります。

引用元 : Yahoo!ファイナンス

まずは、直近のソフトバンクGの株式売出しを振り返ります。

ソフトバンクグループ㈱がソフトバンク(株)の株式をを10億株売出し

親会社のソフトバンクGによる株式の売出総額は2000年以降で民営化案件(日本郵政)を除き、過去最大規模の1.2兆円となりました。

2018年末の上場時には1,500円 / 株で公募されていた株価が上場後の約2年で1,204円 / 株にまでディスカウントされての売出となっています。

1株配当は18年度 : 37.5円 19年度 : 85円のため、配当を加味しても上場時よりも割安での売出しということになります。

決算資料より

株主数は日本最大級の91万人となり、みずほFGに次ぐ規模となりました。

決算資料より

ソフトバンクGの株の売出しにより株主構成も大幅に一般株主が増加しています。

これまでは配当総額の62%がソフトバンクGに還元されていましたが今後は一般株主に配当の約60%が還元されることになります。

決算資料より

配当方針

2022年度までの配当方針は毎年減配無しの総還元性向85%程度を目安として実施していく方針が示されています。

決算資料より

増配していく原資としては2022年度の業績目標として売上高5.5兆円、営業利益1兆円、純利益5,300億円を掲げています。

ソフトバンクは通信事業以外にもLine、ZOZO、PayPay、Zホールディングスなどを傘下に抱えているため非通信分野での成長がソフトバンクの成長ドライバーとなる見込みです。

決算資料より

ソフトバンク株を保有するメリット

①配当利回りが高い

利回りは6%台と高水準です。配当目的で保有するには高水準です。

②コロナ禍でも増配予想を発表している

多くの企業が減配を発表しましたがソフトバンクは今後も増配を継続するとしています。

決算資料より

③ZOZO、Zホールディングス、Line、PayPayなどシナジー効果が期待できる有望な子会社がある

度重なる企業買収により、通信事業者からAIテックカンパニーへの成長が期待できます。

決算資料より

④売上高・営業利益ともに増加傾向

約5兆円の大企業ですが売上高・営業利益の増加が続いています。

コロナにも強い事業内容のため今年度も業績アップが期待できます。

決算資料より
決算資料より

ソフトバンク株を保有するデメリット

①株価が上がらない

上場時の公募価格1,500円 / 株を下回っていた時期が長期継続し、1,500円を超えると売り注文が入り株価が下がる状況が続いていました。

ソフトバンクGによる売出しにより1,204円 / 株を超えると売り圧力が高まると予想されるため、株価の大幅な上昇は期待できないと思います。

Yahoo!ファイナンスより

②配当性向が85%程度あり、業績不振の場合ば減配リスクが高い

利益の85%を配当としているため配当性向が非常に高い水準となっています。

高配当銘柄では配当性向を注意すべきですが、業績悪化時の減配リスクが非常に高いと思います。

決算短信より

③自己資本比率が低い

自己資本比率は20%以下となっており、NTTドコモ、KDDIに対して非常に低い水準です。

3大キャリアの比較は過去記事をご参考ください。

https://www.lifebeter.work/entry/2019/12/09/224237

④親会社のソフトバンクGの業績悪化時に資金調達目的で株を売却される

通信子会社のソフトバンクの親会社であるソフトバンクGが保有している62%のソフトバンク株の内、約22%分の約1.2兆円売却しました。

売出価格は1,204.5円 / 株となっており、受渡期日である2020年9月23日での株価が1,250円 / 株程度あったため数パーセントの割安価格で購入が可能となっています。

売出価格での予想配当利回りは7.1%と高配当となっています。

一方で売出価格1,204.5円で購入した株主が株保有者の22%にも及ぶため1,204.5円 / 株以上であれば売却をする株主が多く存在することになるので株価本体は今後上がりにくい状態となると予想されます。

ソフトバンクIRより https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2020/20200914_01/

⑤通信料金の値下げ後の収益が不透明

Lineモバイルの完全子会社化により新料金プランを発表しましたが、新料金プランによる収益体制やドコモへの乗り換え顧客がどれくらいいるかなど通信分野の不確定要素は多くあります。

これまではドル箱だった事業のため今後の動向を注視ていく必要があります。

まとめ

通信分野の業績は不透明感があるが、非通信事業の業績が拡大しているため当分は配当を維持を予想できますが、株価本体の値上がりは期待しずらい。

成長ができない場合は、配当性向が高いこと、自己資本比率が低いことから減配リスクが高まりますので業績のウォッチが欠かせません。

コメント

  1. […] […]