日産自動車の事業内容、業績、配当について

株式投資

高配当銘柄として人気だった日産自動車について事業概要、業績、配当について見ていきましょう。

2018年には1株当りの配当が57円でしたので、100株購入で10万円程度で5,700円の高配当株として私の勤め先でも多くの方が日産の株式を保有していました。

一方で品質問題、カルロスゴーンの逃亡によりコロナ前から業績がガタガタだったため2019年には年間配当が1株当り10円に大幅減配し、2020年は無配となっています。

株式投資家としては配当の回復を期待したいですが、まずは開発費にお金を回して競争力のある商品を開発し黒字確保を目指して欲しいと思っています。

日産自動車概要

2020年3月期 業績予想

まずは、日産自動車の2020年3月期の業績予想を確認します。

売上高 7兆9,400億円 (前期 : 9兆8,789億円)

当期純利益 ▲6,150億円(前期 : ▲6,712億円)

販売台数 416万5千台(前期 : 493万台) 

一株配当 :無し

2018年度は販売台数 551万6千台、当期純利益3,191億円でしたが、コロナ以前のの19年より業績が悪化しています。

よって、トヨタ・ホンダなどの他の日系自動車メーカーと異なり、コロナの影響で業績が一時的に悪化している訳ではないということに注意をする必要があります。

11月度の販売実績

2020年11月度の販売実績は前年同月比▲9.9%となっています。

国内の新車販売はでは軽自動車が好調だったため、前年同月比+6.1%と回復基調、また中国でも比較的コロナからの回復が早いため+5.2%となっています。

但し、国内販売は比較さている前年同月が2019年11月のため増税後の販売が落ちこんでいる期間との比較のため大幅に販売が増えたとは言えないと思います。

一方で北米、欧州では20%以上の減少となっておりグローバルでは▲9.9%となりました。

IR資料より引用

乗用車の売上上位10車種中、8車種をトヨタが独占し、2車種ホンダ

1位 トヨタ「ヤリス」:1万9921台(-)
2位 トヨタ「ライズ」:1万627台(前年同月比142.0%)
3位 トヨタ「アルファード」:1万109台(前年同月比175.9%)
4位 トヨタ「ハリアー」:9897台(前年同月比561.7%)
5位 トヨタ「カローラ」:9653台(前年同月比90.2%)
6位 トヨタ「ルーミー」:9112台(前年同月比127.8%)
7位 トヨタ「シエンタ」:7187台(前年同月比69.6%)
8位 ホンダ「フィット」:7161台(前年同月比229.0%)
9位 ホンダ「フリード」:6864台(前年同月比106.5%)
10位 トヨタ「ヴォクシー」:6860台(前年同月比123.2%)

軽自動車ベスト10にはルークスとデイズがラインクイン

1位 ホンダ「N-BOX」:1万5685台(前年同月比83.4%)
2位 スズキ「スペーシア」:1万2027台(前年同月比93.8%)
3位 ダイハツ「タント」:1万599台(前年同月比50.2%)
4位 ダイハツ「ムーヴ」9980台(前年同月比147.3%)
5位 日産「ルークス」:9019台(-)
6位 スズキ「ハスラー」:6579台(前年同月比133.6%)
7位 ダイハツ「タフト」:6503台(-)
8位 ダイハツ「ミラ」:6068台(前年同月比111.2%)
9位 スズキ「アルト」:5654台(前年同月比99.0%)
10位 日産「デイズ」:5427台(前年同月比44.7%)

日産自動車の日本での立ち位置

日産自動車の売上規模は日系企業でもトップ10に入る大企業です。

18年度の売上ベースでは日本企業の19年度の売上ランキングでは第7位に位置しています(19年度はJXTGに抜かれて第8位となっています)

自動車業界ではトヨタ自動車、本田技研工業に次ぐ第3位です。

順位会社名19年度売上高業種
1トヨタ自動車30兆2256億円自動車
2三菱商事16兆1037億円商社
3本田技研工業15兆8886億円自動車
4日本郵政12兆7749億円サービス
5NTT11兆8798億円通信
6伊藤忠商事11兆6004億円商社
7日産自動車11兆5742億円自動車
8JXTG11兆1296億円石油
9ソフトバンクグループ9兆6022億円通信
10日立製作所9兆4806億円電気機器
19年度 日系企業売上ランキング

日産自動車の世界での立ち位置

販売台数

売上高を世界の自動車メーカーと比較しランキングにすると世界10位に位置しています。

アライアンスを組んでいるルノーと三菱自動車の販売台数を合計すると年間1,000万台クラスの巨大連合となりVWやトヨタ自動車と肩を並べる規模となります。

売上高順位社名
1位VW
2位トヨタ自動車
3位ダイムラー
4位フォード・モーター
5位GM
6位本田技研工業
7位上海汽車
8位FCA
9位BMW
10位日産自動車
11位現代自動車
12位PSA
13位ルノー
14位起亜自動車
15位タタ・モーターズ
16位スズキ
17位マツダ
18位SUBARU
19位三菱自動車
20位テスラ
21位BYD

販売台数と市場占有率の推移

日産自動車の自動車販売台数は約500万台規模であり、世界の自動車市場における占有率は6.0%前後を推移しています。

20年度は416万5千台の予想のため過去の水準に対して20%~30%程度の販売台数減少となっています。

日産自動車ホームページより

日産の地域別グローバル販売台数

日産自動車のグローバル販売台数の地域別割合を確認すると、日本は11%となっており約9割が海外向けとなっています。

特に中国、米国市場での販売台数の割合が大き、日産にとっては中国市場、米国市場が最も重要であることが分かります。

ルノー・日産自動車・三菱自動車連合において欧州はルノーアジア圏は三菱自動車というように役割分担となっています。

日産ホームページを参考に作成

各地域での販売台数と市場占有率です(2018年度時点)

中国、米国での販売台数が多いのですが、市場規模が大きいため市場占有率としては中国で5.9%、米国で8.4%となっています。

地域販売台数市場占有率
日本596,00011.30%
中国1,564,0005.90%
欧州536,0003.00%
米国1,444,0008.40%
IR資料より作成

日本での2018年売上TOP3

日産自動車の売れ筋自動車を見ていきましょう。

地域によって順位が異なるため日本でのTOP3をご紹介します。

1位 デイズ (軽自動車)

デイズ

2位 ノート (コンパクトカー)

ノート

3位 セレナ (ミニバン)

セレナ

その他、EVのリーフ、SUVのエクストレイルやジュークなどの売れ筋車種があります。

株主構成

発行済み株式の43.4%をルノーが所有しており日産自動車の筆頭株主となっています。

参考情報ですが、日産自動車は三菱自動車の34.03%の株式を保有しており三菱自動車の筆頭株主でもあります。

年度別配当推移

2020年度は無配となっていますが、過去にはリーマンショック後にも無配となっており利益の増加とともに配当も増加する傾向があります。

まとめ

高配当銘柄として超有名でしたが、個人的には危険な高配当銘柄として購入を避けていました。

業績の回復兆しが見えたら株式の購入も検討しますが、自動車業界であればトヨタがやはり強いという印象です。

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