JR東海 事業内容と今後の業績について

株式投資

新型コロナの影響でJR東海の業績が低迷しています。

業績の低迷と連動して株価も低空飛行中。

ワクチン開発の目途がつくまではしばらく業績は厳しいことが予想されます。

Yahoo!ファイナンスより

今期の通期業績予想が令和2年10月28日に公表されています。

売上高は前期 1兆8446億円から今期8,630億円と大幅減少となり、当期純利益は▲1,920億円の赤字予想となっています。

鉄道事業は不況にも強い超安定銘柄として知られていましたが、観光やビジネスでの出張などの需要が無くなったことで利益の大半を占める新幹線の利用が減少していることが業績悪化の主要因となっています。

JR東海は復活するのか?

新型コロナウイルスのワクチンが世の中に十分に供給できれば売上も戻ってくると予想していますがこれまで通りにビジネスマンが出張に新幹線や通勤に電車を使うのか?と疑問が残ります。

多くの経営者やビジネスマンがTeamsやZoom会議でも取引先との打ち合わせなどでも十分なコミュニケーションが取れることが分かり、在宅勤務も一気に普及しているためこれまでの需要が復活するのかは不透明です。

また、静岡県知事ともめているリニアの工事の目途もついておらず、仮に目途がついて工事が始まったとしても「リニア」を使いたいという需要があるのか?疑問です。

そもそも、東京-名古屋間は新幹線で約1時間半で行くことができますが、リニアとなって約45分と時間を半分に短縮することにどれだけニーズがあり事業として成り立つのかということに従来から懐疑的でした。

2020年には新型コロナウイルスによる外出自粛により新幹線の需要も蒸発している中、リニア中央新幹線は工事費9兆3,000億円(東京都・大阪市間)と超巨額となり、JR東海もリニア工事のために4兆円程度の有利子負債を負っています。

新幹線の需要復活 と リニア開発の2つが今後のJR東海が復活する上で重要なキーワードとなっていくと予想しています。

事業紹介

JR東海の事業内容をまず確認していきましょう。

大きく3つの事業から成り立っています。①運輸業 ②流通業 ③不動産業

もちろんメインは①の運輸事業ですが②流通業や③不動産業も近年成長している分野です。

①運輸業 

運輸事業はJR東海の事業の中核であり、新幹線鉄道事業、在来線鉄道事業、超電導リニアによる中央新幹線などがあります。

超電導リニア
新幹線

②流通業 

鉄道の利用者や多くの人が集まる駅は、JR東海にとって重要な経営資源となっています。この資源を活用し、商業施設、オフィス、ホテルなどの都市機能を集積した「JRセントラルタワーズ」や「JRゲートタワー」などの高層複合ビルの開発を手掛けています。

JRセントラルタワーズ(右側)とJRゲートタワー(左側)

③不動産業

駅構内の飲食店街の運営、マンション販売など

JR東海グループでは、事業を積極的に展開し、収益基盤の拡大や多角化によるグループの総合力強化を図っています。
社宅跡地をはじめ、保有する不動産の有効活用に取り組んでいます。愛知県刈谷市の社宅跡地において「セントラルガーデン・レジデンス」ブランドの高層マンションを開発しました。

名古屋うまいもん通り
セントラルガーデン・レジデンス

売上高と営業利益の割合

事業ごとの売上高の割合を確認していきましょう。主な3つの事業は①運輸事業 ②流通業 ③不動産業ですが、約7割が運輸業の売上となっています。

売上高の事業ごとの割合

次に営業利益の割合を確認するとなんと、94%が運輸業で稼いでいることが分かります。多角化しているとはいえ、やはり新幹線や在来線などの鉄道が稼ぎ頭には変わりはないようです。

営業利益の事業ごとの割合

決算内容

直近の第1四半期決算内容を簡単に見ていきましょう。

売上高は前年比▲72.7%の3,378億円、当期純利益は▲1,135億円となっています。

業績が悪化していますが自己資本比率は約40%をキープしています。

長期債務の推移が気になったので紹介します。18以降長期債務が大きく上昇し約4兆8000億円となっていますが、中央新幹線(リニア)建設のための長期借入金の借入のため債務が大幅に上昇しています。

IR資料より

配当金

配当金は前期は通期で150円と配当性向は7.4%と低水準となっており、配当を出して投資家に還元するというよりも、成長のために投資活動にキャッシュを使っていると考えられます。

貸借対照表を確認すると期末での利益剰余金が約3兆6000億円あるため、純資産に対する配当率は0.8%であり業績が悪化しても減配リスクの少ないかなり余裕のある水準です。

今期は大幅な赤字となるため、前期に対して通期で20円の減配となりました。

新幹線 / 在来線の 月次利用者の推移

対前年比の輸送量の推移を確認すると、新幹線は11月は前年比50%程度、名古屋近郊では74%と特に稼ぎ頭の新幹線の利用者が回復していません。

まとめ

下記のグラフは新幹線と在来線の売上の推移を示しています。

新幹線の売上が約1兆3,000億円に対して在来線は1,000億店程度となっているため、JR東海としては新幹線の売上減少が大きいと売上・利益の減少が大きいことになります。

やはり、JR東海が復活するためには新幹線の売上復活が必須です!

新幹線と在来線の売上高推移(億円)

コメント

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