かつての高配当銘柄として注目をしていた日産自動車の20年度1Q決算と通期業績予想が発表されました。
通期では巨額の赤字予想と注目の配当もとうとう無配予想となりました。
業績悪化については予想通りのため特にサプライズのある決算ではなかったと思いますが、簡単に内容を振り返ります。
FY2020 1Q業績
売上高は前値同月比▲50.5%の1兆1,742億円となり、当期純利益は▲2,856億円となりました。
FY2019 1Q | FY2020 1Q | 前年同月比 | |
売上高 | 2兆3,724億円 | 1兆1,742億円 | ▲50.5% |
営業利益 | 16億円 | ▲1,539億円 | |
売上高営業利益率 | 10% | ▲13.1% | |
経常利益 | 353円 | ▲2,323億円 | |
当期純利益 | 64億円 | ▲2,856億円 |
販売台数は前年同期比▲47.7%の64万3千台まで減少しています。
特にマーケットシェアは0.3ポイント減の5.2%となっていることから、市場でのシェアも落とす結果となっています。
昨日発表された連合を組む三菱自動車の1Q業績も売上高が前年同月比▲57%と大幅減であったことから自動車業界には強烈な逆風となっていることが分かります。
FY2020 通期業績予想
通期の業績予想は当期純利益が▲6,700億円の赤字予想となりました。
日産は2018年度は1株当り57円の配当があり高配当銘柄として人気でしたが売上高営業利益率は当時から2.7%と低水準となっています。
コロナの影響で赤字額が膨らんだかもしれませんが、不正検査問題、カルロスゴーンの逃亡、商品の競争力不足などもともと業績が良くなかったと認識しています。
FY2018通期実績 | FY2019通期実績 | FY2020通期予想 | |
売上高 | 11兆5,742億円 | 10兆6,000億円 | 7兆8,000億円 |
営業利益 | 3,182億円 | 1,500億円 | ▲4,700億円 |
売上高営業利益率 | 2.7% | ▲0.4% | – |
当期純利益 | 3,191億円 | 1,100億円 | ▲6,700億円 |
大注目の配当
日産と言えば配当ですが、あっけなく無配となりました。
2008年の金融危機後も無配となっているので特にサプライズではないと思っています。
2019年に続き2期連続で赤字となる見込みのため経営の立て直しが必須ですぐに配当が戻るとは考えにくいと思っています。
業績が安定しない企業の株を高配当目当てで購入するとリスクが高いことが日産の事例からもよくわかります。

コロナの影響が出る前の2019年11月の段階で減配の発表をしており、コロナが仮に発生していなかったとしても減配もしくは無配となっていた可能性もあります。
まとめ
日産自動車の業績はしばらくは厳しい状況が続きそうです。
競争力のある商品が発表され、業績が上向いてくる段階まで株の購入は難しいと思っています。
日産自動車の事業内容等については過去記事をご参考ください。

コメント
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