J.フロントリテイリングが、2020年2月期の連結業績(2019年3月1日~2020年2月29日)を発表しましたので簡単にご紹介します。
業績度外視で株主優待のために株を持っている方も多いと思います(私自身も)
株主優待は100株保有で50万円までの買い物ので10%オフとなります。セール中にも使えるのでかなり有能です。
しかし、株主優待狙いといってもここ2か月の株価の下落がなかなかすごかったと思います。直近の1,500円付近から800円台まで急降下しました。
ただ、過去10年のチャートを確認すると東日本大震災後も700円台など低調な株価となっていたことからコロナの影響で売上が急減することが予想されるためこれくらいの株価は想定内ということになります。
ここでコロナが影響するようになった3月度のJ.フロントの百貨店事業の売上を確認します。
百貨店事業合計 ▲44.1%
かなり衝撃的な数字となっています。これは株価も半額になるくらいのインパクトがあります。

次に2020年2月期の連結業績(2019年3月1日~2020年2月29日)をご紹介します。
決算まとめ
売上収益 4,806億2,100万円(前年同期比4.5%増)
営業利益 402億8,600万円(同1.5%減)
大丸松坂屋百貨店を中心とした百貨店事業の売上は振るわなかった一方でパルコ事業は新たにオープンした渋谷店や錦糸町店が好調な滑り出しを見せたため売上収益は増加、営業利益も▲1.5%減にとどまりました。

来季の通期連結業績予想については、
売上収益 4,110億円(2020年度から14.5%減)
営業利益 120億円(同70.2%減)と発表。
コロナの影響がいつまで続くかによって業績は大きく変わるためあまり参考にならない業績予想だと思います。
配当状況
株主還元の方針は下記のとおりです。
①配当性向30%以上を目処
②資本効率の向上及び機動的な資本政策の遂行などを目的として自己株式の取得
配当の推移を確認します。
2013年以降増配が続いていましたが業績悪化により減配が予想されます。

事業内容とこれから
J.フロントの事業は大きく4つの柱から構成されています。
「百貨店事業」「パルコ事業」「不動産事業」「クレジット金融事業」
もともとは「百貨店事業」と「パルコ事業」が営業利益の約9割を占めていましたが、不動産事業・新規事業領域の拡大を強化しています。
大型プロジェクトである「GINZA SIX」や「上野フロンティアタワー」の開業により、不動産事業セグメントが大きく成長し事業ポートフォリオを「百貨店事業」のみからの脱却を狙っているようです。
J.フロントが不動産事業などの新規事業に力を入れるのには「百貨店事業」の縮小が顕著だからです。
3月度は全国百貨店売上が▲12.2%となり前年同月比マイナスは5か月連続となっています。

百貨店売上は1991年をピークに右肩下がりとなっています。
まとめ
21年度は大幅な減収減益が見込まれるため株価は上がりにくいと思われます。
また縮小傾向の「百貨店事業」以外での事業拡大が必須となりますが、不動産事業では大手デベロッパー(三菱地所など)との競争となるため簡単な領域ではないと考えられます。
個人的にはコロナによる巣ごもりで疲れてしまったので早く収束して株主優待をフル活用して店舗で買い物をしたいと切に願っています。
コメント