NISAランキングで上位常連のオリックスですが2020年に入ってからは株価下落傾向となっています。
オリックスは多角化経営をしているため「何をやってる会社?」かが分かりにくいため新型肺炎がどのように業績に影響を与えるかいまいちよくわからないと思います。そこで株主優待 & 高配当で人気のオリックスについて簡単に見ていきましょう。
NISA国内株式買付金額ランキング
権利確定1週間前のランキングです。
株価下落もあり配当&優待狙いの個人投資家からの買いが大量い入ったようです。
株主優待の人気がとても高い銘柄です。保有年数によってAコースとBコースに分かれます。2位のJALも優待が人気、3位の武田薬品工業は高配当として有名です。4位の富士フィルムホールディングスは新型肺炎の治療薬として話題になっている「アビガン」関連での買いが増えているようです。
株価の推移
3月に入ってから大幅に下落し権利確定前に一度上昇後、下落トレンドに入っています。
株価下落要因として日経新聞記事に下記のコメントがありましたので紹介します。
同社は訪日旅行客の利用が多い関西空港や北海道函館市、神奈川県箱根町など観光地のホテルの運営を手掛けている。
新型コロナウイルスの感染拡大によって収益が押し下げられるとの懸念から機関投資家による売りが膨らんでいる。市場では「短期的には軟調な展開が続くだろう」(国内証券)との声があった。
オリックスは「箱根・強羅 佳ら久」、「函館・湯の川温泉 ホテル万惣」などを運営しており新型肺炎によりホテルの収益悪化が懸念されます。
その他、ホテル事業については公式HPを参考ください。
www.orixhotelsandresorts.com
オリックスの事業内容について
オリックスと言えば「レンタカー」、「野球」、「銀行」が有名なためこの他にも事業をやっているの?と思われた方もいると思います。
実はオリックスは年間売上2兆円越えで多角化経営をしている企業です。
以下、オリックスのIR資料より引用しています。
オリックスは、1964年にリース事業からスタートして隣接分野に進出し、専門性を獲得することにより事業を進化させてきました。現在は法人金融、メンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6つのセグメントから構成されています。
リース事業は「金融」と「モノ(物件)」の2つの専門性を必要とします。リースで培われた「金融」の専門性は、現在では融資、投資、生命保険、銀行、資産運用事業へと広がりました。「モノ」の専門性は、自動車関連、不動産、環境エネルギー関連事業へと広がっています。
また、1971年の香港進出を皮切りに世界37カ国・地域に拠点を設け、グローバルに展開しています(2019年3月末)。オリックスIRより
オリックスはリース事業をアメリカから日本に持ち込んだ会社と言われています。リース事業で培ったノウハウを活用して多角化経営をしているようです。
以下はオリックスの決算資料からセグメント別の利益・資産の構成を表した資料です。
事業の中核は法人金融、メンテナンスリース、不動産、事業投資、リテール、海外事業の6事業となります。
新型肺炎の影響は?
柱となる6つの事業ごとの利益は下の表の通りとなります。海外向けの事業も大きな割合を占めておりグローバルに事業を展開しています。
新型肺炎の影響があると予想される事業は特にインバウンド減少による不動産のホテル事業、株価下落により含み損が発生すると予想される金融事業、フライトキャンセルが相次いでいるため海外事業の航空機リースにも影響が予想されます。
2019年4~12月期の連結決算の振り返り
オリックスの2019年4~12月期の連結決算は、売上高にあたる営業収益は1兆6843億円と6%減、純利益が前年同期比3.4%増の2443億円でした。
2019年10月28日開催の取締役会で決議をした自社株買いもあったため、一株当たりの純利益は4%増加しています。配当予想は76円を維持する予想となりました。
オリックスの中長期的な方向性を確認すると配当は
①配当性向30%
もしくは
②76円の高い方
が採用されるとしており、今期の純利益の伸びを加味すると横ばいの76円となる予想となっています。
自社株買いの状況
2019年11月1日~2020年3月31日までに1,000億円の自社株買いの進捗は1か月を残して457億円の取得に留まっています。もちろん、自社株買いは約束ではないので実施するかは経営判断ですが株価下落中のため株価対策として進めてもらいたいと思います。
まとめ
オリックスははこれまで54年連続で黒字計上となっており業績・財務は安定しています。BSを確認すると利益剰余金が2兆円以上ありキャッシュリッチな企業だと言えそうです。
一方で2008年の金融危機後は株価が200円台にまで下落し、配当も大幅に下落した過去があるため業績悪化となれば減配も予想できます。配当性向として30%を目安にしているようなので一株当たり利益が下落した場合の減配可能性があるのでしっかりと業績をウォッチしていくことが大切です。
「高配当」 = 「買い」 ではなく、「高配当」の理由は株価に将来の減配予想が織り込まれているからと解釈をした方がいいのかもしれません。
株価
10年チャート

配当と配当性向の推移
5月に決算があるため引き続き注目していきます。
以上
今後はこちらのブログにアップデートしていきます。
lifebetterlife.com
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